めっきは、なくてはならない技術になっています。めっきには、膜の金属の違いと、目的の違いによって、さまざまな種類があります。本書では、種類や目的はもちろん、種類ごとの作業工程、品質管理のための各種試験、そして、環境対策まで、豊富なカラー写真やイラストを使って、丁寧に解説しました。
はじめに
第1章 めっきの役割と歴史
1 本当はすごい「めっき」という技術
2 「めっき」は古くて新しい
3 めっきの利用は多種多様
4 どんなものがめっきできる?
5 めっきは一度きりとは限らない
6 めっきを施すさまざまな方法
7 健康・環境とめっきの関係
Column めっきはさまざまな分野の科学知識を総合した技術
第2章 めっきの種類と皮膜物性および用途
1 電気めっき① 銅めっきの特徴とめっき液
2 電気めっき② ニッケルめっきの特徴とめっき液(その1)
3 電気めっき③ ニッケルめっきの特徴とめっき液(その2)
4 電気めっき④ 装飾クロムめっきの特徴とめっき液
5 電気めっき⑤ 硬質クロムめっきの特徴とめっき液
6 電気めっき⑥ スズめっきの特徴とめっき液
7 電気めっき⑦ スズ合金めっきの特徴とめっき液
8 電気めっき⑧ 亜鉛めっきの特徴とめっき液
9 電気めっき⑨ 亜鉛合金めっきの特徴とめっき液
10 電気めっき⑩ 金めっきの特徴とめっき液
11 電気めっき⑪ 銀めっきの特徴とめっき液
12 無電解めっき① 無電解めっきの種類
13 無電解めっき② 無電解ニッケルめっき
14 無電解めっき③ 無電解銅めっき
15 無電解めっき④ 無電解金めっき
16 複合めっき
17 溶融めっき
18 気相めっき(PVD、CVD)
Column トタンとブリキの違いは?
第3章 めっきの機能的活用
1 機能めっき─機能的特性─ 耐磨耗、潤滑・すべり性、補修用
2 エレクトロニクスへのめっき① プリント配線板へのめっき技術
3 エレクトロニクスへのめっき② 電気的接続のためのめっき技術
4 エレクトロニクスへのめっき③ エレクトロニクスのための銅めっき技術
5 熱や光に関する機能めっき
6 その他の機能めっき 浸炭防止、金型等の離型性、抗菌性、接着性
7 電鋳法
Column 毒物・劇物の基礎知識
第4章 めっきの作業工程
1 各種めっき方式① 引っかけめっきとバレルめっき
2 各種めっき方式② 連続めっきと筆めっき
3 各種めっき方式③ 無電解めっき
4 素材別のめっき工程
5 めっき作業に使われる補助極
6 めっき液の管理法
7 プラスチック素材へのめっき
8 めっきの前処理① 脱脂
9 めっきの前処理② 酸処理・アルカリ処理
10 めっきの後処理① 化成処理・着色
11 めっきの後処理② 脱水素・めっき皮膜の改質
12 めっき方式と装置① めっきに使われる治具(引っかけ、クリップなど)
13 めっき方式と装置② バレルめっき方式
14 めっき方式と装置③ バッチ式めっき装置
15 めっき方式と装置④ 連続めっき方式
16 めっき方式と装置⑤ 部分めっき方法
Column めっき製品の用途とめっき業の年間売上高
第5章 めっき皮膜の試験法
1 めっき皮膜の厚さ測定法
2 めっき皮膜の硬さ試験法
3 めっきの耐食性試験法
4 密着試験・有孔度試験
5 機器分析法① 電子顕微鏡、蛍光X線分析法
6 機器分析法② X線回折法、ICP発光分光分析法、電子線マイクロアナライザ、X線光電子分光分析法
Column めっき液のつきまわり
第6章 環境対策
1 めっき排水の処理
2 排気および換気
3 土壌汚染対策
4 事故防止対策と危機管理(リスク管理)の考え方①
5 事故防止対策と危機管理(リスク管理)の考え方②
Column 悪臭の規制について(悪臭防止法)
付録 めっき技術を理解するための金属・化学・電気化学等の基礎知識
金属材料の基礎知識
1 鉄と鋼および鋳鉄の違い
2 アルミニウムとアルミニウム合金
3 銅と銅合金
4 亜鉛、スズ
5 その他の金属材料(ニッケル、クロム、マグネシウム、チタン)
化学の基礎知識
1 水溶液と酸・塩基
2 物質量
3 モル濃度と規定度
4 水素イオン濃度とpH
5 酸化と還元
6 錯イオン
7 周期律表の見方
電気化学の基礎知識
1 電位の基準と電極電位(標準電極電位)
2 電極の呼称
3 溶液の電気電導度
4 酸化反応と還元反応
5 めっきにおける電極反応
6 過電圧
7 合金めっきの基礎
8 ファラデーの電気分解の法則①
9 ファラデーの電気分解の法則②
10 電流効率とめっき厚さ
11 電流分布とめっき厚さ分布
電気の基礎知識
1 オームの法則とジュールの法則
2 めっき用直流電源
覚えておきたいめっき関連用語
めっき現場で役立つ付表一覧