いまではありふれた存在であるレンズにも、問題点や不具合を解決してきた、発展の長い歴史があります。本書では、レンズの基本的な原理から、光学的な問題点とそれを解決するために開発されたさまざまな技術を、豊富な図版を使って丁寧に解説しました。
第1章 レンズの基本的な性質
像を結ぶしくみ
レンズのはたらき
焦点距離とは
レンズ技術の基礎
結像に関する二つの不変量
焦点距離の計算
焦点距離の逆数=屈折力
焦点距離をいろいろに表現する
焦点距離と画角
Fナンバー、NA
周辺光量
焦点深度
第2章 レンズの収差
光線追跡と光線収差
球面収差
コマ収差
正弦条件
非点収差と像面湾曲
ペッツバール和
歪曲収差
3次収差論と光線収差
波面収差
光学材料Ⅰ
光学材料Ⅱ
色収差
収差図と光路図の情報
分解能と解像力
スポットダイアグラム
MTF
MTFの表示
偏心による収差
第3章 レンズのしくみの発展
初期のレンズの発展Ⅰ
初期のレンズの発展Ⅱ
初期のレンズの発展Ⅲ
ガウスタイプの発展
ズームレンズの発展Ⅰ
ズームレンズの発展Ⅱ
レンズシステムの歴史性と構造性
第4章 しくみを創るユニット
平行平面板
プリズム
ベンディング
レンズの分割・特殊エレメントの付加Ⅰ
特殊エレメントの付加Ⅱ
色収差の補正
2次スペクトルの補正
タンデム配置とリレーレンズ
アフォーカルシステム
コンバージョンレンズ
非球面化の可能性
非球面化の原則
テレセントリック光学系
フォーカシングの方式
フローティング
手振れ補正
第5章 レンズ設計のプロセス
レンズ設計の手順
試行錯誤のプロセス
スターティングシステムの設定Ⅰ
スターティングシステムの設定Ⅱ
ハンドメソッドと自動設計
自動設計のソフトウェア
設計には膨大な計算が……
理論的に設計する
第6章 カメラレンズのしくみ
ファインダー
標準レンズ
大口径比レンズ
広角レンズ
レトロフォーカス型広角レンズ
魚眼レンズ
魚眼レンズの射影の諸方式
望遠レンズ
ミラーレンズ
マクロレンズ
水中レンズ
アナモフィック光学系
ソフトフォーカスレンズ
あおりレンズ
広角ズームレンズ
標準ズームレンズの高倍率化
ズームレンズの基本形態
ズームレンズのコンパクト化
デジタルカメラ用レンズ
プラスチックレンズ
第7章 顕微鏡、その他のレンズのしくみ
眼の構造と機能
めがねレンズ
接眼レンズ
顕微鏡対物レンズ
高倍顕微鏡レンズ
顕微鏡の照明系
双眼実体顕微鏡
望遠鏡、双眼鏡
天体望遠鏡
内視鏡レンズ
眼底カメラ
コピーレンズ
プロジェクションレンズ
液晶プロジェクター、ステッパーの照明
レーザー用光学系の基礎
光ディスク用レンズ
レーザープリンター用レンズ
レンズ特許