世界遺産をめぐる旅に出かける方は多いかと思います。しかし、世界遺産も1000箇所以上登録され、どこをどのように旅すればいいのか、迷う方も、また多いはずです。本書は、世界遺産でも、特に神話世界と関わりの深い世界遺産だけを取り上げ、古代世界に想いを馳せることができるように解説した一冊です。
第1章 ギリシア神話と世界遺産
遺跡が語るオリュンポスの神々の恋と戦い
ギリシア神話のあらすじ①世界の支配者となったオリュンポスの神々の物語
【オリンピアの考古遺跡】ギリシアの最高神として崇められたゼウスの偉大さがわかる大神殿跡
【デロス島】アポロン生誕の場所が往時のままに伝わるエーゲ海の小島
【デルフォイの古代遺跡】ギリシアの人々が神託を求めて訪れたアポロンの聖地
【アテネのアクロポリス】アテナとポセイドンの領有権争いの痕跡が残る神殿の丘
人間と共通の肉体を持つ姿で神々を表現しこれに奉納した古代ギリシアの人々
【パフォス】オリエントの女神に源流をもつ、性愛の女神アプロディテを祀る聖地
【アスクレピオスの聖地エピダウロス】医神アスクレピオスが患者たちの夢に現われて、病を癒した医療センター
【フォロ・ロマーノローマ歴史地区】古代ローマの中心街の中枢に位置したのは竈の女神に捧げられた神殿だった!
ギリシア神話のあらすじ②ギリシアの王族の祖となったゼウスの子供たち
【オリンピアの考古遺跡】オリンピック発祥の地に残るヘラクレスの物語を刻むレリーフ群
【地下宮殿イスタンブール歴史地区】ビザンツ帝国時代に建設された、地下宮殿の石柱を支えるメドゥーサの役割とは?
【トロイの古代遺跡】英雄伝説に彩られたトロイア戦争の真実を解き明かす重層の都市遺跡
第2章 北欧神話と世界遺産
北欧の大地に刻まれた神々の戦い
北欧神話のあらすじ 最終戦争によって幕を閉じる過酷な環境に生きた民族の神話
【ウルネスの木造教会】北欧神話の世界観が浮彫りに描かれた、キリスト教と北欧文化の合作
【ビルカとホーヴゴーデン】オーディンが見出したルーンが彫られた墓石群が立ち並ぶ、ヴァイキング時代の一大交易拠点
【スルツェイ島】ラグナロクから世界の再生へといたる描写が現実に再現されつつある、アイスランドの火山島
第3章 ケルト神話と世界遺産
ケルトの神々と騎士団の足跡
ケルト神話のあらすじ 騎士道の規範となったアイルランドの英雄神話
【ニューグレンジブルー・ナ・ボーニャ ボイン渓谷の遺跡群】かつてアイルランドを支配したトゥアハ・デ・ダナンの一族が暮らした妖精の塚
【ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸】アイルランドを狙う外敵と戦い続けた騎士団長が築いたとされる奇観
第4章 聖書の伝説と世界遺産
イスラエルの民と神の交流、そしてイエス磔刑の証
聖書のあらすじ 世界を創造した神と民が織りなす契約の物語
【マリア・シオン大聖堂アクスム】エルサレムより失われた「聖櫃」が伝わるエチオピア王国の古都
【聖墳墓教会エルサレム旧市街とその城壁群】神の国に入る教えを説いたイエスが最期を迎えた場所に、イエスの墓を守って建つ教会<
【モン・サン=ミシェルとその湾】大天使ミカエルの啓示により創建された神秘の修道院
第5章 エジプト神話と世界遺産
古代建造物に刻まれた古代エジプトの世界観
エジプト神話のあらすじ 王権と太陽信仰が密接に結びついた神話群
【王家の谷古代都市テーベと墓地遺跡】古代エジプトの世界観と1日のサイクルが描かれた王墓の壁画
【イシス神殿アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群】魔術の女神に捧げられ、「ナイルの真珠」と謳われたフィラエ島の神殿
【アブ・シンベル大神殿アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群】新王朝時代の建築王が自身を讃える神殿に刻んだ太陽神にまつわる仕掛けとは?
【カルナック神殿とルクソール神殿古代都市テーベと墓地遺跡】さまざまな神と習合していったアメン神の姿が壁画に描かれた、エジプト最大級の考古遺跡
【デイル・エル・メディーナ(センネジェム墓)古代都市テーベと墓地遺跡】古代エジプト人が考えていた死後の世界が色彩豊かに再現された職人の墓
第6章 オリエント神話と世界遺産
多様な民族が生み出した神話の痕跡
オリエント神話のあらすじ メソポタミア地域で生まれた多様な神話相
【ベルリンのムゼウムスインゼル】シュメール時代より信仰される荒々しい女神に捧げられた城門を再現する博物館
【パルミラの遺跡】交易によって蓄積した富により建立されたバアル神の大神殿
ペルシア神話のあらすじ 現世を善と悪の戦場とするゾロアスター教の世界観
【ペルセポリス】列柱にあしらわれたグリフォンが聖域を守護する、アケメネス朝の宗教的首都
【ビーストゥーン】ダレイオス1世の王位を承認するゾロアスター教の善神アフラ・マズダ
第7章 インド神話と世界遺産
神々の業が刻まれた石窟とレリーフ群
インド神話のあらすじ 2000年を超える時のなかで、土着信仰を取り込んだ神話体系
【パッタダカルの建造物群】ヒンドゥーの創世神話を図像で伝える寺院都市遺跡
【カイラーサナータ寺院エローラ石窟群】シヴァ神の住居であり権化であるカイラーサ山を模した壮大な石彫建築
【インドの神々の図像学】多様な姿で表現されるヒンドゥーの神々
【エレファンタ石窟群】創造・破壊・維持の3つの性格を表わす三面シヴァ像
【マハーバリプラムの建造物群】ガンガー降下とアルヴィナ苦行を表現した大レリーフ
第8章 マヤ・アステカ・インカ神話と世界遺産
密林に消えた幻の神話を伝える遺跡群
マヤ・アステカ・インカ神話のあらすじ 血塗られた儀式の源流となった創世神話
【古代都市チチェン・イツァ】主神ククルカンが年に二度降臨するマヤの古代都市
【古代都市テオティワカン】雨と豊穣の神トラロックを主神とするマヤの古代都市遺跡
【マチュ・ピチュの歴史保護区】太陽神インティの末裔によって築かれた標高2400メートルの天空にある石造都市
【プレ・インカ文明】インカ以前に栄えた文明の遺産